TGMへの理解を深めようとする過程で次第に厨二病をこじらせていった私は、「生命の樹」にTGM理解の突破口があるのではないかと想像(妄想)するようになり、いろいろと調べて見ることにしました。

「生命の樹」については様々なマンガ等でもわりかし便利に「神秘的」なものの象徴として使用されておりますが、それがどういうものかは私が説明するよりもウィキを参照した方が手っ取り早いのではないかと思います。

生命の樹 - Wikipedia

もともと西洋人は魔法大好きなわけですが、やはりその一因として

・ユダヤ人というのはどこでも迫害されているがなにかと上手くやっている

・あいつらにはなんか秘密があるんじゃないか。例えば魔法が使えるとか

・あいつらなんかカバラとかいう秘密の奥義使ってるらしいぞ

みたいな風潮がありまして、それらは魔女狩りブームとかとも無関係ではないわけですが、伝統的に中世以降のヨーロッパでは医学、祈祷、宗教、哲学、スピリチュアル、思想、心理学、科学、錬金術、呪術とかがかなりボーダーレスに入り乱れた上に戦争や経済が繰り広げられていたわけで、そして近代、とりわけ1900年代初頭のヨーロッパではそれらの集大成として大魔術ブームが巻き起こっていたわけです。

「黄金の夜明け団」などはその筆頭でございまして、たぶん何の関係もないのですがフリーメイソンやユダヤ人ネットワークなどと共に、トンデモ陰謀論ファンタジーの中心的存在として世界中の厨二病患者を現在もなおワクワクさせているわけでございます。

そしてTGM作者であるホーマー・ケリーは1907年の生まれですが、まさにリアルタイムでこのブームの真っ最中に中学二年生くらいだったはずですので、何らか影響を受けているとしても不思議ではないと私は考えたわけでございます。

で、代表的な書物(ダイアン・フォーチュン「神秘のカバラー」、イズラエル・レガルディ「生命の樹」他)でワクワクしながら生命の樹およびカバラについて調べていったわけですが、

な、なんか違う。。。

何が違和感を覚えるかというと、ヨーロッパにおける「生命の樹」「カバラ」というものはそのまま「魔術を勉強するための基礎」という位置づけでございまして、そこから各種占い(タロットカードとか)やヨガ(チャクラ)やスピリチュアルな方面に派生していくという流れでございました。

余談ですがこの魔術ブームは第二次大戦前までは大フィーバーしてましたが戦後はやや下火になって、スピリチュアル系(ニューエイジとか)に姿を変えていったようです。科学とは一定条件下で再現性があるものである一方、魔術は魔力を持った人にのみ再現性およびその効果が保証されているものという位置づけだったわけですが、二度の大戦を経て

「イオナズンより爆弾の方が確実」

ということになったのが原因ではないかと私は考えます。

魔女っことか美少女とか萌えとかツンデレとか別にキライではないのですが、なんといいますかTGM的な、徹底して無愛想な乾いた感じとはどう考えても世界観がマッチしないのでございまして、「生命の樹」についてはいろいろ検証した結果やっぱ使えない(何に?)という結論に至りました。

で、今度英語のWikiで調べてみますと、

あれ?なんか「生命の樹」のパターンが違う。。

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セフィラ(丸いやつ)が10個、パス(セフィラをつなぐ径)が22本(ヘブライ語のアルファベット22個に対応)なのは同じでも、パスの位置が異なっているわけです。で、どうも調べていくと、私が必死にワクワクしていたこちらの「生命の樹」は

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ヨーロッパで発展した(そして魔術研究に昇華する)「クリスチャンカバラ」とよばれるものの「生命の樹」で、本来のユダヤ人に使われているカバラとはどうも別物らしいと言うことが分かってきました。

ユダヤ人が儀式で使うメノーラーという燭台も

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「生命の樹」と同じものという話をどっかで聞きましたので、やはり上のそっけない方の図が正統派のユダヤカバラ的「生命の樹」ということだと思います。

ここでやっと前々回の記事の続きで、改めて「カバラって何だよ」という話が出来るのですが、早い話が「旧約聖書を読み解くための暗号解読技術」というのが私なりの解釈です(本当はもっと深いんだと思うけど)。特徴として

象徴図として「セフィロト」を使う

「セフィロト」は「セフィラ」の複数形で、上のヘブライ語バージョンの「生命の樹」のことでございます。

この「セフィロト」は神が天地創造を行う過程で、その神聖性がどのように流出してこの世界を形作ったかを表現しているのでございまして、旧約聖書ではエデンの園に「生命の樹」と「善悪の知恵の樹」が生えていて、アダムとイブが蛇にそそのかされて「善悪の知恵の木」の実(リンゴっぽいやつ)を食べてしまい、このままさらに「生命の樹」の実を人間が食べると、無限の生命と無限の知恵を手に入れて「神」と同じになってしまうことを神は危惧したのでアダムとイブはエデンの園を逐われたというエピソードは有名でございます。

なので一番上のセフィラはものすごく神聖で、人間どもは一番下のセフィラにおります。そして様々な修行や経験を積んで、様々なルート(パス)を伝って一番上を目指すのですが、一見パスは頂上までつながっているように見えますが、実は図中には表示されない別次元のセフィラがございまして、そこを経由しないと一番上にはたどり着けないという最初からムリゲー仕様になっております。つまり人生は神性に近づこうとするムリゲーなのであるということを象徴したシステムになっております。

数秘術を用いる

カバラはどことなく神秘主義的な香りがいたしますが、それはおそらくクリスチャンカバラの影響なのでございまして、ユダヤ教徒にとっては日常的なものだと言われております。なので数秘術というとまた何か占いめいたものを感じますが、別にそれに限ったことではなく、ユダヤ人がしばしば用いる手法が以下三つということのようです。

ゲマトリア

詳しくはウィキペディアをご参照いただきたいのですが、ようするにヘブライ文字のアルファベットには数字が付いているよということでございます。

これによりどんな地名も人名も数値化が可能です。有名な話ではヒトラーのスペルをこれに置き換えて全部足すと悪魔の数字である「666」になるとか、イエスのスペルで同じ事をやると神聖性を表す「888」になるとかです。

そしてこの「ゲマトリア」という言葉は「Geometry」と同じ語源です。

つまり本来数値を持たないものを数値化することが「幾何学」であるということです。

ノタリコン

これもウィキペディアをまずはご参照ください。

例えば旧約聖書のトーラー、ネイビーム、クゥトビームの頭文字をとって「タナハ」と呼んだり、

「Geometrically Oriented Linear Force」を「G.O.L.F.」と言ってみたりするのもノタリコンです。

テムラー

まぁこれは文字の置き換えなのですが、たとえばAをBに置き換えるとか、あるいはAを最後のZと置き換えるとかそう言う手法のようです。

なんかこちらのサイトは上記が上手くまとまっているような気がします。

http://www.nihongo.com/aaa/chigaku/suugaku/Gematria.htm

で、これらを総合して考えると、

ゴルファーが達成すべき各ステージはセフィラによって表され

それを達成するためのパス(径)はTGMの各コンポーネントに対応し

その「TGM的セフィロト」が存在するんじゃないかというのが私の考えでございます。

次回「セフィロト」のシステムの内容をもう少し詳しく調べていきます。

全然ゴルフやTGMに関係ねーじゃんと言う批判は無しでお願いいたします。

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