ちょっと記事の更新が滞っておりましたが、今回は前々から疑問に思っておりますグリップについてであります。
およそゴルフ関係者の中で、「グリップは大事」であるということに異論を唱える人はいないものと思いますが、そのわりに現実的には結構軽視されているのではないかと思い、いろいろリサーチを行って参りました結果としての「グリップの決め方」でございます。あくまで「TGM信徒としてのグリップの決め方」という注釈を付けさせていただきますが、これならば道を外すことはないだろうという安全策で行きます。
長いので二回に分けますので、今回は前編ということで。
Table of Contents
前提
こればっかりは海外の書籍や情報を鵜呑みにしないこと
トップページでも述べておりますとおり基本的に私は海外の書籍およびサイトからの情報収集でこのブログを製作しております(なぜ日本の書籍やサイトをあまり参考にしないのかは、まぁお察しください)。で、グリップに関してはこちらのサイトなどは本当に詳細な研究を行っていると思うのですが、そこで出てくる写真・イラスト群を見ていますと、例えば
この写真ですと左手の下三本の指がしっかりとグリップに巻き付いていますが
私の場合(少し下の方握っても)そこまで巻き付きません。指の長さが違うんでしょうね。
またモダンゴルフなどで有名なこの写真では
これもやってみると
かなり苦しいです。扁平足という言葉がありますが、おそらく手の肉球(?)がそんなに盛り上がっていない(扁平手?)のだと思います。
私個人の問題ならばいいのですが、もし日本人と欧米人で指の長さや手のひらの形状が異なっているとしたら、例えばその両者がどちらも「オレは左手はフィンガーグリップだぜ」と言ったとしても、その実質的な形状や発揮される効果は異なるのではないかと思います。
また手(指)の大きな外国人は、グリップに「巻き付ける」だけの長さがあるのでそれほどチカラを入れて握らなくても少なくともすっぽ抜けることはないのに対して、日本人の場合その状況が異なる可能性があります。なのでグリップの仕方の表現としても、「握る」ではなく、「持つ」「はさむ」「ひっかける」などの表現になることがあるのかもしれません。
理論的な解決方法は「グリップの太さを変える」事ですが、これは「太くする」事は可能でも「細くする」ことは現実的にかなり困難です。日本ではグリップの外径はほぼ同じであるという現実を受け入れた上で自分にとって最適なグリップについて考えていくということになると思います。
私のやっていたテニスでは、基本的にはグリップの太さは4+2/8、4+3/8、4+4/8の三種類が標準でラインナップされ、かつグリップテープの厚み、素材、巻き方などでそうとう細かい調整が出来るんですが、なぜゴルフでは「グリップが大事」と言いながらここまで選択肢が少ないのかはわかりません。
「正しいグリップ」とは言うけれど
「モダンゴルフ」読んだ方ならご存知と思いますが、やたらに長いページをさいてグリップの話が出てきます。要はベン・ホーガンはチーピン("Duck Hook")持ちであったためにグリップについて悩みまくっていろいろ試行錯誤をしたのちにフェードヒッターになった経緯を述べているわけですが、ベン・ホーガンがそれほど悩む問題を我々シロートが簡単に「これが正しいグリップだね!」などと納得出来るはずがないのであります。基本的な姿勢としては現状のグリップでのゲームを受け入れた上で、常に自分にもっと最適なグリップがあるはずだと考えて日々試行錯誤するくらい深いテーマなのではないかと思います。TGM本文の10-2-0でも「グリップを調整し続けることが大事」と言っているわけです。
一方で、TGM信徒的に一番やってはいけないのは、正しくないコンポーネントのために発生している問題をグリップで補填するという考え方です。具体的には「なんかスライスが出るのでフックグリップにしたら真っ直ぐになった」とか、「最初からフェースを左向きにしておくと真っ直ぐ飛ぶ」とかの行為ですが、球がスライスするのはグリップやフェース向きのせいではおそらくありません。そういう打ち方(カット軌道とか身体が開きすぎとか)をしていることがおそらく原因です。
そのようなことをしたら真っ直ぐ飛んだという現実は
間違った身体の使い方(マイナス要素)X 間違ったグリップ(マイナス要素)
=なんか真っ直ぐ飛んだ(プラス?)
というような話で、下の図を見ればお分かりの通り、最初のはじめの第一歩が腐っていれば、その樹は大きくなるはずがありません。何年やっても上手くならないパターンの典型コースになります。私個人としてはスライスしか打てない初心者にフックグリップを勧める指導者もダークサイドではないかと思ってしまいます。
グリッププレッシャー
ハーベイ・ペニックの「レッドブック」の中で、「私はレッスンを開始するときはまず生徒の手のひらを見せてもらいます。マメができていたり、グローブのある一カ所が破けていたりするのは、正しいグリッププレッシャーでスイングが出来ていないからなのです。」とか言っていたような気がします(原本が見当たらない)し、トップでご紹介している後藤修氏は「グリップの間には空気が入らない」と表現されております。ギッチギチには握らないし、一点にチカラがかかるようなグリップではないけれど、かと言ってどこかがパカパカするようではいけないと言うことだと思います。
私個人の経験で一番パカパカしやすいのは手のひらの付け根の方です。
手の指の形
こちらは私の左手ですが(マメが出来るのはよくないそうですが小指の付け根はどうしても硬くなってしまいます)
手の指は下三本はわりと関節が平行に近い並びになっていますが、人差し指だけはそのラインから完全に離れていることが分かります。よって何かを握ろうとする場合、人差し指だけは必ず仲間はずれになります。
たとえば鉄棒にぶらさがるような「引っかける」ような形(グーの形)であれば四本で握ることも出来ますが、およそつり竿でもテニスラケットでも剣道の竹刀でも車のハンドルでも包丁さばきでも、基本的なグリップでは「人差し指は必ず下三本とは別行動」になります。
ニュートラルグリップとプレッシャーポイント
で、結局上記のような諸条件を考慮した上で、どのようなグリップを目指すべきかということです。どんな初心者でもまずグリップをしないことにはゴルフが始まりません。基本的な方針としては「自分にとってのニュートラルなグリップを」「プレッシャーポイントの観点から決定していく」ということになります。
次回に続きます。