やっとワールドカップも終わって一息付けると思いきや全英オープンが始まりますのでなんとも忙しいのは相変わらずですが、そんな中日曜日にサマンサタバサレディースの観戦に行っておりました。
松田鈴英選手の応援でしたが、この選手不思議なのは
(C)ALBA 写真はアースモンダミンカップ時
練習グリーンではまったくクロウグリップ練習しないのに本番ではクロウで打つ
けっこう長いパットもクロウで打つ
パッティングでもグローブは外さない
パットの時素振りはノーマルグリップで、実際打つときは右手クロウにして左手のグリップも若干変化する
この日ショットがしっくり来てなくて左手一本フィニッシュが多いのだけどそれほど曲がらない(というかPAR3ではそれで3mくらいに寄っててバーディ)→松山秀樹?
一番不思議だったのがですね、この選手
去年より背が伸びてるんでないか?
ということでした。172cmくらいありそうなんですが。
まぁまだハタチなんでそういうこともあるのかも知れませんが、もともと体幹も強そうで下半身もしっかりしてて飛距離も出るので、いろんな意味で伸びしろがある選手だと感じました。
この日は前半3ボギーで後半3バーディと盛り返しました。たぶん本人の中では調子も良くなかったとは思うのですがクソ暑い中三日間存在感を示せた事を自信につなげて欲しいですね。
で今回はシャンクのお話です。
告白しますと、私はシャンク野郎でした。
まぁ経験のある方は思い出すだけで吐き気がすると思うのですが、特にアプローチでシャンクして右45°の方向に飛び出してバンカー入ったりしたときは本当に死にたくなるアレです。
で、今回はシャンクの原因を私自身の経験とTGM的考察を交えて考えていこうと思うのですが、なんで本記事のカテゴリーが「リズム」なのかと申しますと、TGM的には「そういう大惨事が起きるときは必ずリズムの崩壊が起きている」としているわけです。逆に言えばリズムがしっかりとキープされていればそこまでひどいミスショットは出ないということになります。
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リズムとテンポの違い
まずリズムとテンポという二つの言葉の定義です。おそらくこれは音楽の世界でも同じ用法ではないかと思います。
リズムは、要するに「何拍子か」ということです。
「わん、ぁつぅー、ワン、ツー、スリー、フォー」は四拍子ですし
「ずんっ、ちゃっ、ちゃー、ずんっ、ちゃっ、ちゃー」は三拍子です。
かの有名な「チャー、シュー、メンッ」は三拍子です。
「アイ、ヤー」で打てるなら二拍子ですね。
松山秀樹選手などは打つ前に何度か小刻みにソールするような仕草をしてからバックスイングしますので、もしかすると八拍子くらいのリズムなのかも知れません。
重要なことは、各コンポーネントは連動あるいは連携、連鎖して動作しますので、リズムの指揮のもと、各拍子でそれぞれのコンポーネントがどのような状態になっているかを管理しながらストロークを構築しなければならないということと、本番ではそのリズムを刻むだけで正しい動作が出来るようになるまで練習すると言うことです。
で、テンポというのはそのリズムの速さです。
「チャッ、シュッ、メンッ!」と早いテンポで打つと、同じ三拍子でも各コンポーネントを速く動かさないといけないことになります。
シャンクの定義
シャンクは右方向に球が出ますので開いたフェースが戻ってこないために起きると錯覚しがちですが(そういう人は64°のウェッジとかを持って開かずに使います)シャンクとはあくまで
シャフトでボールをヒットしてしまう現象です。
フェースを開くこととシャンクは直接関係がありません。
なぜそのようなことが起きるのかと言えば、クラブヘッドが想定より外側を通るからですが、そうなってしまうのは両手の通り道が何らかの事情によって想定より外側を通って来るからであります。なぜ両手の通り道が外側になってしまうのかは大きく以下二つの原因があると思います。ヒップターンが早すぎることで両手の通り道が阻害されるためにハンドアップして起きるシャンクと、もう一つはやや複雑なメカニズムで発生する角運動量不足シャンクです。
ヒップターン早すぎシャンク
これしばしば日本人選手(特に女子)と海外選手の大きな違いだと思うところなんですけど、総じて日本人選手は海外選手に比べてヒップターンが早め多めです。
これだけヒップターンが早いと本来両手の通り道がなくなってハンドアップしてしまうわけで、これがアマチュアが(特にフルショトで)冒しやすいシャンクの原因の一つではないかと思います。具体的にはダウンで右膝がこらえきれなくなって前に出てきてしまうために「右のヒップをクリア」出来なくなってしまう状況です。
さすがにプロは子供の時からやっているので、感覚的なのか意図的なのかはわかりませんが、手の通り道を塞がないようにアドレス時よりも身体を外側に持ち出して(上の図の赤矢印)両手のルートを確保しています。ただこれをアマチュアがマネするのは相当に練習が必要だと思いますし、そのメリットがよく分かりません。
下の選手はそもそもヒップがインパクトまでにそんなに前に出てきませんので、完全に軸をずらさないまま両手が振り抜けています。どう幾何学的、物理的に考えてもこの方がロスが少ないと思います。
早い話が、シンプルに「両手が身体の前を通り抜けるまで右膝や右股関節でふんばってヒップターンを遅らせる」ことで、フルショットに関してはほぼシャンクを回避できるのではないかと思います。
「ボディは回すが上体は残して、捻転差をつくることで飛距離が出る」という理屈をよく「日本の」書籍やサイトで見かけるのですが、海外では誰もそんな難しいこと言っていないのではないかと思うのですね(もしかするとジム・マクリーンさんあたりは言ってるかも知れません。私が読まないだけで)。単純に軸を固定して腕を振る方が飛んで曲がらないはずだと思うのですね。
で、問題はヒップターンなどほとんど必要ない短い距離でも発動するシャンクです。長くなりましたので次回に。