ゴルフのストロークはの、主に二つの要素で成り立っておる

すなわち、「円の幾何学」と、「回転の物理学」じゃ

基本的なストロークは二つしかない。すなわちヒッターのストロークとスインガーのストロークじゃ。幾何学の方は、(そのストロークの完成度が高ければ)どちらのスイングにも、ドライバーからパターまですべてのクラブにおいて同じように適用される

しかし物理学の方は、ヒッターには「筋力による押し込み」、またスインガーには「遠心力」という形で作用する

つまり「幾何学」とは「動き」の学問であり、「物理学」とは「作用」の学問じゃ。ヒッターもスインガーも外目にはいずれのスイングも同様に効率的に見えるが、その違いはゴルファーが内に感じるものじゃ。「強く」「叩く」あるいは「速く」「振る」、ま両方やっても良いのじゃが

「円の幾何学」の定義は二つの側面を持っておる。すなわち「現実と幻想」あるいは「事実と感覚」と言っても良いかのう。自分ではこのようにクラブをおろしてきていると思っても、実際にビデオに撮ってみるとこうなっているという、誰にでもよくあると思うがのう。「事実」つまり実際にはクラブがどのうように動いているかを把握できれば、「感覚」も正しく研ぎ澄まされて使えるものになるのじゃが(2-N)

「回転の物理学」の定義は「ゴルフの法則」にとどまるものではない。わしらが生きておるこの空間すべてに作用する一般的な摂理じゃ。宇宙でゴルフをするのでない限りわしらはここから逃れることはできんのじゃ。物理というのはしばしば「そう見えるんだけどな」という感覚を不安なものにさせるぞい。「ゆっくり振っているように見えるのにすごく飛んでるなー」とかそういうこともよくあるのう(2-K)

インキュベーターとコンピューター(14-0)は、ゴルファーの精神的側面について語っておる。ゴルファーの置かれた状況から複雑な要素を取り払い、再現性を向上させ、なるべくシンプルなストロークを行うための「プログラミング」について述べておる

「3つのステーション」(12-3)を通じて、「3つの必須事項」(2-0)を遵守することは「3つの機能」(1-L-A/B/C)を達成することにつながる。これらはすぐにできるようになるものではないが、理解した上で精進し続ければ現実的なゴールに向かっていくぞい

本書のシステムを続けいていくうちに、ある日突然「今まではこうしている」と思っていたことが「実はこうなっていたんだ」ということに気づくようになるじゃろう

ゴルフのストロークというのは様々な要素でできておるが、それらを一個一個正しく理解することでそのゴルファーの現状は把握できるはずじゃ。すなわち

A - よくできた要素 道具に例えるときっちりフィットしたアイアン

B - 改善余地はある要素 道具に例えるなら長さがあっていないパター

C - 害悪でしかない要素 道具に例えるならモップ

モップ?

そう、モップじゃ。本人がドライバーだと思って振り回しているそれは実はモップなのじゃ。なのでそれでもって何年練習しても絶対に上達しないのじゃ。20年やっても100も切れないというようなゴルファーは大抵Cの要素でゴルフをやろうとしておる

悪いことの1として、それでもナイスショットすることがあるということじゃ。

モップにも芯があるかもしれないねー

するとそのモップ打ちはそれこそが真理だと思い込んでその真理を探す旅に出るのじゃ。終わりなき無駄な旅じゃな

悪いことその2として、悪い要素をどうにかするために、別の要素で解決しようとすることじゃ。例えば体が開くクセがあるとして、その結果フェースが開いてスライスするというような場合に、フックグリップの強烈インサイドアウトなプレーンにしてそれを補填しようとする試みじゃ。本質は身体の使い方に問題があるのじゃが、クサいものにフタをして他の要素で補填というわけじゃ。

この補填という考え方で注意なのは、一つの悪い要素を補填するには最低二つの要素をいじくる必要があるということじゃ!

逆に言えば、この補填要素の全くないストローク(Uncompasated Stroke)こそがゴルファーが目指すべきものじゃ。

指導者として理想的なのは、まずCの要素を取り除き、ついでAの要素を残す、そしてBを修正してすべての要素が互いに正しく連動できる状態を作るのが最短距離なのじゃが

そう簡単にはいかないよねー

モップ氏にしてみれば何十年付き添ってきたストロークをある日「それはモップです。それでゴルフはできません」と言われるわけじゃ。それをすんなり受け入れられるかの。教える側にしてみればそんなゴルファーはイチから作り直した方が早いと思ってしまう可能性もあるのう。でももしAの要素があるならば、たとえそれがインストラクター氏のモノとは違うモノであるとしても、それは残してあげた方が良いのじゃ。何しろモップ氏にとっては慣れ親しんだ再現性のある動作じゃからのう。この本は「なぜできないか」だけではなく、「どうすればできるのか」までを解き明かすヒントになるはずじゃ(1-H14-0)

つまりー教わる側はすべてを受け入れる覚悟でー

教える側はすべての要素を見極めた上でー

まずはこの要素を捨ててー、そっからここを修正してー

そうするとこのくらいのレッスン、練習量、時間、費用がかかるって見積もりしてー

そうすればこのくらいのスコアにはなるでしょうって同意してー

それがコミットメントというものじゃ!

ライザップの宣伝じゃないよー

でも道具のフィッティングだったらそういうものだよねー本来

そうじゃ。ゴルフストロークのフィッティングをできるようにすることが本書の目的じゃ。道具は良いのう。金さえかければすぐに揃うからの。しかし「補填なきストローク」を作り上げるには時間がかかるじゃろう。それを長いと考えるか短いと考えるかはそのゴルファー次第じゃ

でもほとんどの人は「このワンポイントを直せばすぐにこうなるー」ってのを期待するよねー

そういうショートカットはゴルフには存在せんのじゃ。そういう輩にはおそらく指導する側も「そうですねー、もうちょっと大きく、ゆっくりー、なるべく頭を動かさないでー、はい!ナイスショット!ミート率が上がりましたねー。では3千円です。」というレッスンしかできんじゃろう。

目隠しして樹海をさまようのと、ガイド付きで樹海に入るのの違いじゃよ。わしのこの本をよく読めばゆったり座った状態でその旅に出ることができるのじゃ

まだ続くよー

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