昨日まで行われておりました「山陽新聞レディースカップ」では我らが(?)森美穂選手がホールインワンを達成したり

昨年プロテスト合格時に「この選手はヤバい」と活躍を期待していた「れなごん」こと石川怜奈選手が優勝したりと話題は尽きませんが、ついに巨匠アーネスト・ジョーンズの著作は最終章に入ります。

 

私の本書におけるメッセージは首尾一貫して「クラブヘッドをスイングせよ」というシンプルなものである。そして読者諸君も序章から再三にわたって主張されてきた内容を思い出せるはずである。私の主張は20年以上にもわたるティーチングの現場での経験から発せられているものであり、そして今日にいたるまでやはりこのシンプルな主張の必要性を何度にもわたって痛感しているところである。しかしこの単純性こそが実は大きな問題を提起することにもなるのである。つまり、ある人にとって、ゴルフというゲームは単純なものになり得ない。それは事実である。しかし私は、ある何らかのアイデアを人に伝えるということについて、対面の指導を行うよりも文章に書かれたもののほうがより良い結果をもたらすかもしれないという希望に挑戦したかったわけではない。

アイデアそれ自体に、なんら革新的な、あるいは前衛的なものがあるわけではないにせよ、ゴルフというゲームを指導する際の一般的な方法には、ある程度のバリエーションが存在する。ストロークを切り分けて一つ一つの動作をパズルのピースのように分析する手法にどっぷりと慣れ親しんでしまった方々への譲歩として、この最終章では、ストロークをスイングのアクションとして認識している人々からすれば、たとえ上記のパズルのピースの手法で分析を行ったとしても、どのように一貫した主張となるのかをお目に掛けたい。

そのためここでは、ゴルフというゲームを他者の理解のために分析している高名なプレイヤー達の書き残したものをいくつか引用して紹介していきたいと思う。それぞれの引用に私自身のコメントを付け、それらの主張がいかにスイングのアイデアに完全に調和したものであるかを認識するための一助としたい。

 

ロバート・T・ジョーンズ・ジュニア(ボビー・ジョーンズ)

私がゴルフをプレイし、またこのゲームについて学ぶほど、「しっかりとした」スイングを確立できるかどうかは、左腕および左サイドを主導的に使用できるかにかかっていると確信するようになった。そのようなスイングを構築するために、以下の六つをお勧めしたい。

1. バックスイングの始動時、クラブを右手で持ち上げるのではなく、左手で押すように行うことを確認すること。

2. 両ヒップおよび両肩はバックスイング中最大限にターンしてよい。左のカカトが地面から離れないようにしないこと。

3. 左腕は伸ばされた状態を確保し、右肘はきつく抱きしめるように曲げようとしないこと。またクラブが後方に振られている間中、右サイドは完全にリラックスした状態になるようにすること。

4. バックスイングのトップで左手首はコックされた状態となるが、クラブをしっかりと制御出来るように左手でクラブをしっかりと握っておくこと。

5. ダウンスイングでは一貫して左手手動でボールを打ち抜いていくが、ダウンスイングの早すぎる段階でコックを解いてしまわないようにすること。

6. ボールを打撃することを怖れずに振り抜くこと。

 

ここで列挙されていることは、私が本書で、クラブとはグリップエンド側の手で制御およびガイドされることがスイングのアクションのために必須であると説いたことと同じことである。もちろん彼の言っていること、あるいは書いていることは全て右利きでスイングを行うプレイヤーを想定している。以下解説である。

1. 右手は、シャフト上ではクラブを制御すべき左手とクラブヘッドの中間に位置しているため、もし右手によってクラブヘッドが動かされる動作であればそれは「てこ」の動作となる。このような方法でクラブが始動されるのであればスイングのアクションに発展させることが出来ない。

2. ある程度の飛距離を求める場合、クラブヘッドは目標地点とボールを結んだターゲットラインから離れることが必要であり、その結果ボディは相応量ターンすることが必要となる。どの程度ターンを行うかは、ストロークに求められる飛距離に応じて変化する。フルショットの場合、クラブヘッドをスイングする両手のアクションに反応する形で、ボディは自由かつ無理のない範囲での最大限のターンを行うことが求められる。

3. 実質的には、左腕とクラブシャフトは一体とることでスイング全体の半径を作り出している。スイング中に左腕が伸ばされている状態を作り出すアクションは、フォースが伝達される糸がしっかりと張り詰めた状態にされていることを意味する。ゴルフにおいて左腕は、このフォースの伝達のための中間物質として重要な役割を担っており、スイングによって引っ張られる動作がその伸長を促進している。右手がテコの動作によってこれを妨げる状態になっていない限り、右腕はクラブが後方にスイングされる際に自然かつ無理のない動作でクラブの下方に落とし込まれるはずである。

4. 両手首の柔軟性は、スイング中にクラブヘッドが動く方向を変化させることを可能にする。ゆっくり、かつスムースに始動されるスイングのアクションでは、このクラブの方向が変化する瞬間であっても低い割合ではあるが加速が発生している。ボールに向けてのダウンスイングにおけるクラブヘッドの加速は、この瞬間のクラブヘッドの逆方向への引力を伴い、手首が最大限にコックされる反応を生むことで、インパクトにおける最大限のヘッドスピードを発生させることに寄与している。

5. スイングのアクションでは、左腕がインパクトの直後まで真っ直ぐになっている状態を発生させる。真のスイングにおけるこの手首の自然な反応を阻害する唯一の方法は、クラブの切り返し直後から右手によってストロークに何らかのパワーを注入しようとする行為である。すでに触れたように、この動作はスイングのアクションをテコの導入によって破壊するものであり、スイングの中心部から得られる以外のパワーをいずれかの段階で活用しようとした結果である。

6. スイングにおいて達成可能な最大のクラブヘッドのスピードが得られるのは、パワーが正しく活用された場合である。この活用の発生を遅らせようとする行為、あるいはスイングによって制御出来る以上の活用を行おうとする場合、スイングの動作は阻害される。

 

続きます。

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