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こうしたプレイヤーがある種の付け焼き刃的な方法を用いることで良い、あるいはいつもよりいくらかでも再現性のあるプレイをしている場合はあるだろう。またそうした方法が、プレイを改善したいと考えている彼らの周りのゴルファーの注意を引きつけることもあるだろう。こうしたプレイヤーがスイングの基本的な原則を習得する過程で、おそらくはそれに付随する非本質的なプレイヤー個々のクセも習得してしまうおそれがあるが、こうしたクセは本来のスイングをより難しくしてしまう可能性がある。クラブを扱う上でのこうした外見上のハンディキャップは、ストロークの都度通行税を徴収されるようなやっかいなものとなる。このような事例は、上級者やプロの間で行われているような同様の行為においてすら枚挙にいとまがない。いわゆる「ダッファー(ヘタクソなゴルファ−)」の間においては計り知れないほどになるだろう。一方で世の中にはこうした問題に対応するという数多の「ティップス(ワンポイントレッスンのような処方)」が存在する。率直に言って、それらの幾ばくかはボールを正しくストロークするために役に立ちそうなものもある。しかしそれらでさえも、問題に対する対応という面では、ストロークにおけるほんの一面的な部分に対しての言及でしかなく、またそもそもストロークとは本来部分に切り分けることが困難な、全体として統合されているアクションであるということを忘れてはならない。またそれら以外のティップスについては、再現性や正しいストロークに役立つものですらないという点ではるかにタチが悪い。
しかしゲームを学ぶ上でこうしたアプローチを行う事の最も困った点は、こうした取り組みは実は最初から逆方向へ努力を始めてしまっているという点にある。つまりこの考え方は、何が正しいのかを考え、学ぼうとする代わりに、何が間違っているのかという情報を集めようとしているのである。ある処方によってある問題が解決されれば、それが原因で同じレベルの問題が新たに発生するかも知れない。より最悪なケースとしては、このような処置によって再現性やコントロールが得られるといった手法がどの程度行われるかにせよ、スムースなスイングを行うという安全な基盤から、失敗を決定づける方向に向かい始めるという可能性すらあるのである。
ある有名なゴルフライターがかつてこう書いた。「ボビー・ジョーンズは私がこれまで見たどんなプレイヤーよりも、最も高い次元で彼自身のスイングを信じていた。もし彼がボールを曲げたとして、例えば30ヤードほど曲がったとしよう。他のスタープレイヤー達は何が悪かったのかを考え、次のボールを打つ際に少なくとも何らかのハンドアクションの修正を加えることだろう。しかしボビー・ジョーンズはそうしたことはしない。ひとたび彼がスイングを始動したならば、彼はいつもの彼のする様に真っ直ぐに、なんら修正を加えるという試みはしなかったのである。」
このエピソード以上に、ボビー・ジョーンズが他のどんなプレイヤーよりも、クラブヘッドをスイングすることを意識していたことを物語るものはない。そして彼がプレイした十年、いや十一年に及ぶ数多の全米選手権のフィールド上で、あらゆるプレイヤーの中で彼は圧倒的に安定性と正確性の高いプレイヤーであり続けたのである。11回の出場を果たした全米オープンの中で、一度たりとも80以上のスコアを出さなかったその卓越した安定感は、他のプレイヤーがストロークに意識的な操作を加えることでボールの方向を修正しようとしたのに対して、「おのれのスイングを信じて」ボールを打撃するということで正確性を達成することができることの、最も雄弁な証明となっているのである。
ところで、このように意図的な修正操作でクラブを制御しようとする試みのことを、一般に「ステアリング」と呼んでおり、経験のあるゴルファーであればこの結果どういったことが起きやすいかはよくわかっているはずである。これらは通常のアクションによって行われるべきストローク、つまりほぼ全てのケースにおいて潜在的な意識で制御されるべきパフォーマンスに対して、意識的に何らかの妨害を加えることである。ほとんどのケースにおいて、こうした試みは非常にぎこちないストローク(チョロ)を発生させるか、あるいは反対にやり過ぎ(ホームラン)の結果を招く。いずれの結果であろうとも、それらは共に「意図的な制限」を加えようとしたという共通の問題をはらんでいる。結果は常に、その場面で必要とされる正確性および、スイングのアクションにおいて作り出されるクラブヘッドのスピードを強調したものとなって現れるのであって、ストロークは常にクラブヘッドの状態を手を通じて感知された感覚によって制御されなければならないのである。
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本文とは何の関係もないですが森美穂選手が明日からのステップで良い成績を残せますように!