久々に感動したのでこのブログでは珍しく観戦記です。
まぁ文句なしに今年一番の激闘だったと思うのですね。
3日目を終わって首位15アンダーに今年プロ入りを表明して主催者推薦で出場しているマシュー・ウルフ、コリン・モリカワの二選手に我らが(?)ブライソン・デシャン坊の三人が首位-15で並んでいる状況に、それを二打差で追いかける松山君という私的にはこれ以上ないおもしろ展開だったわけです。
マシュー・ウルフ君は名門オクラホマ州立大学で歴代の全米全学生の歴史の中で最小平均ストロークという安定感に、カックンワッグルからの縦あげ超シャットから思い切りシャローイングしてのGGスイングという個性の持ち主で、ここんとこずっと話題にはなっておりました。
Imitation is the sincerest form of flattery.#LiveUnderPar pic.twitter.com/hx2JEFca0Z
— PGA TOUR (@PGATOUR) 2019年7月6日
もう子供がマネしたくなるヤツです。TGM的に言うとおもくそプレーンシフトですが実はフェースのターン量が少ない今時スイングをちょっと「Aスイング」っぽくしてる感じです。こんなんしたらめっちゃドローすると思いますが実はフェースターン全然してないのでそんなにドローかかってません。
コリン・モリカワ選手はめっちゃプレーンシフトのマシュー・ウルフとゼロシフトのデシャンボーの二人の変態に挟まれて困惑しつつもめちゃくちゃオーソドックスな美スイングで優勝争いに最後まで絡みましたが、ちょっとキャラの濃さが足りませんでしたので今後に期待です。
最終日が始まった段階で、上位陣で優勝経験が豊富なのは松山君とデシャンボーだけで、これだけの混戦になると優勝経験ない人は勝ちビビりしてスコア崩すことが多いので、期待も込めてこの二人のマッチレースを予想していました。
実際デシャンボーと同じ組で廻ったウィンダム・クラークなんてデシャンボーのパットがマジで遅すぎたのと一時首位に立った時の緊張感で曲げまくってしまいましたし、最終組の二人にいたってはついこの間まで学生だったわけですからさすがに最後まで自分のプレーを出し切るというのは難しいでしょうと思っていたわけです。
結果的にはこの最終組は、学生の団体戦のノリで最後まで突っ走ってしまったわけです。もしデシャンボーとマシュー・ウルフが同じ組だったらたぶんぜんぜん違う展開になったのではないかとも思います。団体戦は良い方向に燃えますから。アメリカ人。団体戦ではなくてPGAの試合だったんですけど。
今大会はアメリカでは珍しくフルベント(ポアナとか雑草的な芝が混ざっていない)で素直なグリーンだったこともあって連日けっこうなビッグスコアが出ていましたので、首位三打差くらいまでは何が起こるか全くわからない展開でしたが、おそらく最終組に近づくに従ってグリーンも荒れていたように思いますので上位陣のスコアはそれほどは伸びずに進行していきました。
まぁとは言えベントのぼーぼーのラフはそうとうねちっこいのでこういうこともあります。
Golf is hard. pic.twitter.com/lrcHXVR88L
— PGA TOUR (@PGATOUR) 2019年7月7日
松山君はバックナインで本当にあと一つでも二つでもパットが入っていれば優勝もあったと思いますが、残念ながら決めきることが出来ないまま終盤に入ります。
17番まででルーキーの二人が一打差で並び、最終18番はPar5でしたのでこの二人の優勝争いになるかという展開の中で、KYで図太いことには誰にも引けを取らないことで有名なデシャン坊が18番のセカンドで会心のショットを見せます。
Bryson DeChambeau with a CLUTCH final hole to take the lead at the 3M Open. 💪pic.twitter.com/06IMVpLeP1
— Golf Digest (@GolfDigest) 2019年7月7日
本来デシャンボーはややフェードヒッターなのですが、ここはコースの形状的にフェードは打てない状況でしたのでおそらくボールをやや後方にセットして(ヒッターの特徴)ドローを打ってイーグルを狙いに言ったと思われます。
One step closer to the #WyndhamRewardsTop10.@B_DeChambeau’s eagle on 18 didn’t get him the win Sunday, but it did move him up 11 spots in the regular season points race. pic.twitter.com/XlITrckC9i
— PGA TOUR (@PGATOUR) 2019年7月8日
結局これがズバリで、デシャンボーが土壇場で単独首位に立ちます。まぁこのときのデシャン坊のパットが遅いこと。さすがPGAのデシャンボー、日本LPGAの申ジエと言われるだけのことはあります。言われてるのかどうか知りませんが。
で、この間とっくにティーショットを終えたマシューとコリンの若者二人は、ずっと素振りとかしながらフェアウェイで待たされるわけです。双方ともバーディを取らないとデシャンボーに並べない状況で、共に2オンを狙いに行きますがマシューはグリーン左脇のラフ、コリンはグリーン中央でピンまではやや距離を残したところに着弾しました。
この展開も良かったと思うのです。まぁ入らなくても寄ってプレーオフだなと。
🚨🔥 THIS EAGLE WINS IT FOR MATT WOLFF 🔥🦅 WOW! ALL THE EMOTIONS #WolffPack pic.twitter.com/5JK36YiiIM
— Matthew Wolff Legion (@MattWolffLegion) 2019年7月7日
でこれが入っちゃうわけです。
入ったときの瞬間のデシャン坊の失望の様子がこちらです。
"Wait... what???" 😦pic.twitter.com/H6j7KrQpxc
— Golf Digest (@GolfDigest) 2019年7月7日
この瞬間ではなくこのちょっと前に歓声を聞いて「え、あれ入ったの!?マジかよ。クソっ」って言っていたように私には聞こえたのですが、確かに「Shit!」って言っていたように私には聞こえたのですがどうもツイッター界でその確証を探すことは難しいようです。今となってはホールアウトしたマシュー君を祝福しながら最後に右パンチを浴びせる清々しいデシャン坊の雄姿が残るのみです。
Game respecting game. 🤝pic.twitter.com/ICK8493ghi
— Golf Digest (@GolfDigest) 2019年7月8日
うっかり途中から録画した気もするのでいずれじっくり検証してニヤニヤしたいと思います。
終わってみればまぁこの日はホントにマシュー君の日でした。池に入ったと思ったらラフで止まってたのも二回ありましたし、最後のミラクルも含めそういうことがないとやはり初優勝は簡単ではありません。
私としてはもちろんイケイケのマシュー君、優等生モリカワ君と元祖問題児のデシャン坊の三人によるプレーオフでデシャン坊がどのように嫌がらせをして先輩風を吹かせるのかを見たかったのですが、それは今後のお楽しみとしたいと思います。
とにかくここまで団子状態の混戦は近年でも稀ではなかったかと思います。
本当に面白い試合でしたので再放送がある場合は是非ご視聴をお勧めします。
やっぱゴルフはライブ中継がサイコーっすね!!
現場からは以上です。