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第九章 右腕はどのようにスイングを補強しているのか(その1)

Search for the Perfect Swingもサイマルで進めていきます。

これまでの各章では、ゴルファーがスイングにおいて左腕を使用することによって、モデルによって検証されているスイングのアクションの再現をシンプルかつスムースに行っていることを確認した。各章では人間の関節およびそのレバーの動作が、モデルの本質的な働きを再現するために使用されなければならないやや複雑な機械的動作において、どのように機能しているかを確認出来たと思う。

例えば、ゴルファーはスイングのプレーン上を進行するバックスイングにかけて約90°フェースのターンを行い、ダウンスイングの最終局面ではそれが再び戻ってくる動作を行っている。手首の動作に関して言えば、クラブのブレードをスイングするために、最初に開き、そしてインパクトを通じてスクエアにするという、強く、高度に制御された動作を行っている。また上下のコッキングの動作も、モデルに要求されているヒンジの動作を達成するために行われているものだ。

またこれまで紹介しているフォワードスイングにおける左腕のスイング動作はゴルフスイングの基本的動作と言える。

しかしこれまでの考察に加えて、通常のゴルファーのスイング、すなわち両手を使用してよりパワフルかつ効果的にコントロールされたスイングを行うタメの考察が必要である。しかしモデルタイプとしての左腕一本のスイングは通常のゴルファーがベストなスイングを行おうとする際の骨格となるものなのだ。

左腕スイングの脆弱性

では、そこで右腕はスイング全体にどのように関与してくるのだろう。

この課題について考える前に、読者諸君には左腕一本でスイングを行った際に不可避となる脆弱性について考えてもらいたい。実際それらは明らかなものがほとんどだが、それらについて考える事によって、右腕がスイングにおいて何を補填し、またどのように打撃のパワーを加えているのかを明らかにすることができるはずである。

(i) 始動において

本書の最初の方の章において、アドレスポジションから始動の動作を行う時点は、全てのゴルファーにとって要注意なポイントの一つであることを指摘した。ここでは、まずクラブヘッドを後方に動かし始める際に正しいプレーン上で行わなければならないことと、トップにおうてフルエクステンションの状態に正しく収まるまで、始動以降のバックスイング中、継続してプレーン上でクラブヘッドの慣性を供給しなければならない。
 この感、意図したプレーンから逸脱することがしばしば発生し、ショットのトラブルを招く可能性を増幅させることになる。
 クラブヘッドをオンプレーンに、始動から右方向にワンピースの動作で動かそうとする時、左腕一本のプレイヤーは大きな身体的困難に直面している。このときプレイヤーは、バックスイングの進行中「クラブヘッドを後方に置き去りにする」ことを避けるために、手首に相応の強度を容易されるが、これはバックスイングの終盤に向けてクラブを巻き上げるようなものとなる。手首に最大限のパワーを用いることなく、あるいは用いたとしても、クラブヘッドのぐらつきあるいは不観戦なプレーンやシーケンスでの進行を余儀なくされる可能性がある。
 このような状態において、もし右腕が使用可能であるならば、多大なる補強となることは明らかである。

9-1 左腕一本で始動を行う際の脆弱性

(ii)バックスイングのトップにおいて

次に、ひとたびプレイヤーがバックスイングにおいてクラブヘッドを正しくオンプレーンに加速出来たとして、トップにおいてプレーンがターゲットを正しく捉えた状態で静止するために、クラブヘッドの慣性を吸収しなければならず、そしてその状態からやはりターゲットを捉えたプレーン上でボールをヒットするまでダウンスイングを開始しなければならない。
 ここでも、左手、あるいは手首には、クラブヘッドが制御出来なくなる状態を避けるために大きな負荷がかかる。ここで発生しているクラブヘッドの慣性によって、バックスイングでクラブを持ち上げ、静止し、反対の方向に振り出し始める過程において、左手には中指や薬指、さらには人差し指にすらクラブを掴む力に対抗する作用が生まれるために、グリップ力が弱まる作用が絶えず発生している。あるいは肘が曲がる、胸部に対して左腕が近すぎるスペースをスイングすることになるなどの作用によって、全ての動作がオフプレーンとなってしまう可能性がある。これら自然の作用に対抗し、あるいは制御を行おうとする場合、右腕は明らかに効率的に左腕の援助を行う事が出来るだろう。

 (iii)インパクトを通じたクラブヘッドの開放において

前章で紹介した左腕一本のプレイヤーは、モデルのパターンにおいて要求される上下のレバーにおけるヒンジのアクションを、ほぼ一切の副次的なパワーを使用することなく行わなければならない。
 これを完璧に行う事は不可能ではないが、コントロールとパワーの両面において常に制限を受けることになる。インパクト付近で、プレイヤーは情報のレバーのスイングに加えて、手首はアンコックの動作と前腕の旋回の動作を複合させなければならない。この動作を、左腕一本のプレイヤーは、ほぼ100%手首のフリースイングの動作によってのみ行わなくてはならない。これは両手のアクションに比べて弱いアクションにならざるを得ず、正確性と再現性の確保が困難になり、ディボット跡からのショット、前脚下がり、あるいは深いラフへの対応と言った、現実的に発生する困難へのバリエーションが大きく制限される。
 ここでも、右手が使用出来る事は大きな助けとなる。
 また右手の使用は手首のアンコッキングに関して相応のパワーを供給することも可能である。この動作それ自体はモデルアクションのスイングタイプにとって不可欠なものではないにせよ、この方法によってヒンジのアクションにパワーを付加することで、プレイヤーはクラブヘッドをより早いスピードで動かす事が可能になり、つまりは飛距離を稼げるということになる。
 これによってどの程度の貢献がなされているかを研究したリード博士、またウィルモット博士によれば、ウィルモット博士はおよそ飛距離250ヤードであり(両手で打った場合)、左腕一本で打つ練習をひたすら行ったところ、およそ200ヤードが限界であったという。このことから、両手でスイングを行った場合はおよそ25%程度飛距離をアップさせることが出来る事になる。
 結論として、全ての種類のライあるいは状況から効率的にゴルフを行う事は、左腕一本のプレイヤーはスイングを終始制御下に置くためには多大なる努力をしなければならないことになる。そのスイングがいくつかの脆弱性を抑制するとしても、世界のトップレベルの左腕一本のプレイヤーですらその全てを克服することは困難である。

右腕がしなければならないこと

左腕一本のプレイヤーにとって不可避となる脆弱性を考察することからわかってきた、右腕がゴルフスイングにおいて最も貢献できる手法は以下の三つとなる。

  1. プレイヤーの両肩及び上胸部の構造を一体化させ、両腕が一体となって作動する上方のレバーとすることで、スイングアクションを補強されたものとする。
  2. スイングの中心の周りを旋回するハブおよび手首のアクションにパワーを付加することにより、インパクトに向けてのクラブヘッドのスピードを増加させる。
  3. インパクトを通じたクラブヘドのアクションに、制御と繊細性を付加する。

しかし上記三つの目的を効率的に実行するためには、以下の最も重要な条件が達成されていることが必要となる。右腕のスイングにおける第四の死活的に重要な条件とは

上記1,2,および3項を達成するにあたり、基本となるレフトアームスイングのパターンを阻害しないこと。あくまで右腕は奉仕し、補強し、追加のパワー、コントロール、繊細性を付加するのみであり、決して右腕によるスイングのパターンへの変化あるいは逸脱が発生しないようにすること。

つづく

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