えっと、突然ですけど本日より三泊でセブ島に行って参ります。TGMが売れたから浮かれて遊びに行くのもあるけどセブのゴルフというものをしっかりと体験取材してきたいと思います。詳細はこちらのブログもしくはPCMさんのサイト他で報告させていただく予定です!
ちなみに先月の「ゴルフをする機械」は2人の方にご購入いただきました。これで累計販売部数は17冊になりました。調子に乗って3月22日(金)〜24日(日)の三日間で開催れるジャパンゴルフフェアでもひっそりと販売させていただく予定です。入場無料ですのでご興味のある方は是非ご来場をお待ちしております。
前回の続き:スイングの原則論
良いゴルフスイングには以下三つが必須である。
スピード
正確性
再現性
まず再現性を高めるという目的において、スイングはシンプルなものであることが求められる。たとえばスイングごとにその手法が変わるといった、全てのヒューマンエラーの原因となりうる要素は可能な限り最小限にすべきである。また同様の理由で、あまりにも複雑な動作が必要なスイングフォームも避けるべきと言える。
では、最も可能な限りシンプルな動作とはどういったものであろうか?純粋に機械的な見地から考えれば、それは真っ直ぐに動く動作である。しかし人体の構造を考えれば、それは決まった長さのレバー(骨のこと)が、可動方向が決まっている場合もあればそうでもない場合もある特定のポイント(関節)を中心として旋回している構造物の集合体であり、必ずしも常に直線的な動作を行う事に適した構造というわけではないことがわかる。よってクラブヘッドが直線的にスイングされるということは全くシンプルではないばかりか、それを行うためには非常に複雑な関節、骨、筋肉の動作によって補われなければならないことになる。
一方で、もし関節の可動方向を固定化することが出来るならば、「長さの決まったレバー」(そしてクラブもその一つである)を使って、円軌道の動作を行う事が出来るとも考えられる。たとえば、肘をテーブルの上に置いて、その肘の位置を固定した状態で下碗をテーブルの上で動かせば円状の動作になる。純粋に機械的な見地から考えれば、円運動というのは直線的な運動の次に最もシンプルな運動と言える。
実施のスイングを行おうとしているプレイヤーを観察する前に、そのプレイヤーに備わっているもの、あるいは組み立てられるものを想像して、「彼に可能な動作の中で、最もシンプルな円運動はどのようなものになるだろうか?」と考えてみて欲しい。
明白な回答は以下の二つである。
(a)手首を中心としたクラブのスイング
このブログのマニアにはお分かりの通り、これはTGMで言うところの「セカンダリーレバーアッセンブリー」ですね。
(b)ボディを中心とした堅固なスポークのような、両腕とクラブを一体化させたスイング
そしてこれはTGMで言うところの「プライマリーリーレバーアッセンブリー」ですね。
しかしいずれのスイングも、現実的なスイングとしては不十分である。(a)のスイングでは手首および両手を中心として両腕の筋力のみを使用してスイングを行う事になるため、その潜在的なフルパワーを発生させる事は不可能であり、必要とする飛距離を得られないという点で不十分である。
(b)も不十分と言わざるを得ない。このように手首を可動させることなく両腕とクラブを一体化させてスイングすることは、実際にそのゴルファーのボディから得られる最大限のパワーを使用することにはなる。しかしこうしたスポーク固定型のスイングを機械的に分析すると、このゴルファーがインパクトにむけてクラブヘッドを送り込む際のエネルギーは、両脚やボディから得られる潜在的に最大となるエネルギーの四分の一以下にしかならず、実際には両腕および両手のみによって作られるエネルギーと大差ない。
またこのような方法でボールを打撃することはボディの周りの全てのスポーク、すなわち両肩、両腕、グリップ、シャフト、クラブヘッドの全てを同じ角速度で動かす事が必要となる。この場合、ボディの上部を動かすために多大なエネルギーが必要となる一方、クラブヘッドにそれほどのパワーが加えられるわけではない。現実的には、このゴルファーがツアープレイヤーと同じような速度でクラブヘッドをスイングすることは到底不可能である。
さらに言えば、このクラブと腕を一体化させて動かす固定式スポーク型ホイールスイングは、理論上ではシンプルなスイングを達成出来るように感じられるが、現実的にはそれほどシンプルなものにはならない。そもそも手首というのは固定された間接ではなく、クラブをこのような方法でスイングしようとすれば、固定するための余分な力が必要になる。
両手、両手首によって原則的に重要なこと
「シンプルな円運動を行うには」という最初の設問に対する、明白かつ機械的に正しい二つの答えのいずれも、人体がゴルフにおいて最も効率的にクラブヘッドをスイングする方法を指し示したものにはならなかった。しかしながら、既に多くのゴルファーがお気づきの通り、二つの最もシンプルなスイングの方法は、ある一つの複雑性、すなわち双方を組み合わせことで、現実のゴルファー達が行っているスイングにフィットさせることが出来る。
ここで、強固な二本のスポークである、腕とクラブの中間に存在する手首を、自由に可動するヒンジのようなものとして考えてみることにする。
これによって、我々が直面する機械的なシステムのポテンシャルが急激に変化することをお分かりいただけるだろうか。
とまぁこのようなねちっこさで二重振り子が必須という展開になっていきます。日本のゴルフ理論(?)の場合「新発見」「独自の」というキーワードが優先されがちでその根拠となる過去の研究の出典が不明なものが少なくありませんが、SPSでは逆に信じがたいほどのまわりくどさで論理展開がなされていきます。
TGMの副読本としては良いのかも知れません。
ではセブ行ってきまーす!